世界初のDLP/IRベースのポリマーPBF概念である、ダイレクトイメージ焼結 (DIS) は、昨年発表された際に話題となりました。ビジテックの研究開発チームは、スクロールモーションシステム構成にDISをうまく適用して、造形領域のサイズ制限を事実上解消できることを示しました。
新しい概念実証動画では、LRS MCx NIRの光学エンジンが画像を投影し、スクロールしながら粉末床を直接焼結する様子を示しています。
世界初を再び
解像度に基づく造形領域のサイズ制限は、スクロールシステムを適用することで解消できます。これは、高解像度をスクロールプロジェクターと組み合わせることができるためです。ビジテックのラボセットアップでは、スクロールと75 μmピッチの解像度が組み合わされています。DIS PBFに使用されるDLPベースの光学エンジンが克服すべき潜在的な問題や課題を完全に理解すること、そして、プロセスを簡素化して、顧客がプラグアンドプレイシステムを統合しやすいものにしていくことが現在の課題です。これまでに開発したシステムから得られた豊富な知識が役に立つなど、研究開発ラボではエキサイティングなことが起こっています。DIS概念がスクロールモーションのステージ構成で正常に動作することを証明することは、概念実証動画で示されているように、もう1つの「世界初」の成果となりました。
ダイレクトイメージ焼結の説明
DIS概念は、DLPと強力なIRレーザーダイオードアレイを組み合わせて、従来のポリマーベースの粉末床溶解結合法よりも印刷速度、解像度、造形領域を大幅に向上させます。印刷層全体を1回のショットで露光することは、造形速度の重要なポイントとなります。ビジテックのスクロールサブシステムを適用し、複数の強力なIR光学エンジンをモーションステージにスタッキングして、それらを広大な造形領域にスクロールすることで、DISはポリマーベースの粉末床溶解結合法の確立された制限を事実上解消できます。造形領域全体で高解像度を維持するDIS概念の能力により、ポリマーベースの粉末床溶解結合法向けのシステムにおける、量産能力を追い求める革新的なシステムメーカーに多くのチャンスが生まれます。
一定の露光サイクルにより、各層の再現性や一貫性がさらに向上し、印刷ジョブ中の粉末床のフィルファクターに関係なく、サーマル管理が大幅に安定します。これは、フィルファクターの変動が、レーザービームが層を完成させるのに必要な時間の長さに影響するという、従来のSLSシステムの課題ともいえます。
スクロールプロジェクターで造形領域を拡大
スクロール構成は、基本的に任意の造形領域に拡大できます。DIS概念がスクロール構成で機能することを証明することにより、ビジテックは、従来のポリマー焼結やポリマー/金属複合体を含む将来のPBFアプリケーションにおいて、造形領域のサイズ制限が解消されていくことを効果的に示しました。
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